このたび、FARMBOXが「スマート農業・農業支援サービス事業導入総合サポート緊急対策事業(広域型サービス支援タイプ)」に採択されました。
本事業では、AIチャットボットと指導員・普及員によるハイブリッド型の営農支援サービスの有効性を現地で実証し、持続可能な農業支援の新たなモデルとして社会実装を目指します。
専門家に頼る農業現場と減少する支援人材


日本の農業者は営農支援において、普及センターやJAなどの専門家への依存度が高い一方で、指導員や普及員の減少と高齢化が進んでいるのが現状です。
例えば、普及指導員は1990年をピークに約1,700名減少(約3分の2)しており、限られた人員で多くの農家を支援することが困難になりつつあります。
こうした背景から、人的リソースが減少する時代に対応した新たな営農支援エコシステムの構築が急務となっています。
FARMBOXの挑戦:AIと人的知見の“いいとこ取り”ハイブリッド支援

今回FARMBOXが取り組むのは、AIと専門家の力を融合した「ハイブリッド営農支援」です。
このサービスでは、FARMBOXに蓄積された農業データを基に、AIチャットボットが24時間365日対応。農業者がいつでも相談でき、即時に的確な回答を得ることができます。
さらに、その内容は指導員・普及員とも共有される仕組みとなっており、必要に応じて人による専門的なアドバイスも加わります。AIと人的支援の相互補完により、多面的なサポートが可能となります。
実証フィールド:JAおきなわ・JA菊池の2拠点でスタート
本プロジェクトでは、JAおきなわおよびJA菊池の2地域で実証を開始。現場のニーズや実用性、持続可能性を検証しながら、将来的な全国展開も視野に入れたモデル構築を目指します。
ハイブリッド営農支援のメリット
<農業者にとっての利点>
- 24時間365日、いつでもAIに相談可能
- 蓄積された農業データに基づく専門的で的確な回答
- 指導員・普及員の知見も反映された多角的なサポート
- わかりやすい回答形式により農業技術の理解が深まる
- 過去の相談履歴や解決策を継続的に活用できる
<JA・営農支援組織にとっての利点>
- 農業者からの相談内容をリアルタイムで把握・共有
- AIが初期対応することで、専門家は高度な支援に集中可能
- 個別農業情報(栽培層・巡回・販売・経営など)を一元管理
- 支援ノウハウが蓄積され、組織全体の知見が強化
- 効率的な営農支援でより多くの農業者をカバー
- 地域ごとの課題傾向を把握し、戦略的な支援が可能
今後の展望
本事業を通じて、FARMBOXはハイブリッド営農支援モデルの社会実装に向けた有効性・実用性・収益性を検証し、持続可能な農業支援サービスとしての確立を目指します。
「人とAIが連携する新しい営農支援の形」を通じて、地域農業の未来に貢献してまいります。