JAおきなわ、農業専用業務支援システム「FARMBOX」で緊急防除対応を90%以上効率化

セグロウリミバエ緊急防除において、対象生産者1,105名の申請業務を大幅に効率化

当社が開発・提供する農業専用業務支援システム「FARMBOX」を2014年から導入しているJAおきなわでは、2025年4月に実施されたセグロウリミバエの緊急防除対応において、業務の大幅な効率化が実証されました。

これまで11年間にわたり取り組んできたFARMBOXを活用した圃場情報のデジタル化により、移動制限管理が必要な緊急防除において、対象となる1,105名の生産者・5,915筆の圃場に関する申請業務の作業時間を91.7%削減し、合計で507時間の削減効果が得られました。

セグロウリミバエ緊急防除について

沖縄県では2025年4月14日より、セグロウリミバエの発生に伴う緊急防除措置が開始されました。
県外への農産物出荷には、検査と合格証明書の取得が必須となり、生産者は圃場ごとに詳細な申請・管理を行う必要があります。

セグロウリミバエとは

セグロウリミバエは、ウリ科・ナス科・マメ科など広範囲の農作物に被害を与える重要害虫です。
幼虫が果実内部を食害するため、作物の商品価値を著しく低下させます。
日本国内では一度根絶されたものの、海外からの侵入リスクが高いため、発見時には迅速な防除と移動制限が求められます。

FARMBOXによる業務効率化の実現

JAおきなわでは2014年よりFARMBOXを導入し、組織的に圃場のデジタル情報化を推進してきました。
営農指導員が日々の巡回の中で圃場のマッピングを継続的に行い、現在までに約25,000筆の圃場をデジタル化しています。
この基盤により、今回の緊急対応においても、FARMBOXに蓄積された情報を活用し、以下のような大幅な効率化を実現しました。

業務時間の大幅短縮

従来:1生産者あたり約30分を要していた圃場位置の確認・申請作業

FARMBOX活用:1生産者あたり約23分で完了

具体的な成果

対象:生産者1,105名、圃場5,915筆

総削減時間:507時間(約63人日相当)

削減率:91.7%

業務品質の向上

  1. 申請書作成の効率化:事前にデジタル化された圃場情報により、入力作業が大幅に省力化
  2. 植物防疫事務所へのスムーズな対応:圃場位置情報や申請書を迅速かつ正確に提出可能
  3. 地図情報の活用:デジタルマップによって、検査対象圃場を正確に把握し、現地確認の効率化に貢献

11年間の継続的取り組みが成果の礎

  • 2014年:FARMBOX導入開始、圃場デジタル化の体制構築
  • 2014年〜2025年:指導員による圃場マッピングを継続実施
  • 現在:約25,000筆の圃場情報をデジタル資産として組織内で共有・活用
  • 2025年4月:緊急防除において、蓄積データが即戦力として活用される

成功のポイント

  1. 組織的な導入と継続運用:FARMBOXによる計画的なデジタル化推進
  2. 11年間の地道なデータ蓄積
  3. 日常業務と連携した実用性の高い運用体制
  4. 組織全体でのデータ共有と活用体制の構築

関係者の声

JAおきなわ 管理者

「2014年からFARMBOXを活用して圃場デジタル化を進めてきたことが、今回のような緊急対応で大きな力を発揮しました。11年間の積み重ねが、迅速な対応と生産者の負担軽減、さらには農産物の安定供給に大きく寄与したと実感しています。」

現場指導員の声

「毎日の巡回でマッピングしていた作業が、緊急時にこれほど役立つとは。継続していて本当に良かった」

ソフトビル担当者

「JAおきなわ様が11年間にわたりFARMBOXを継続活用してきたことにより、緊急対応時に91.7%という大幅な業務時間削減を実現できたことは、農業のデジタル化の価値を明確に示すものです。
FARMBOXは日常業務の効率化だけでなく、災害や病害虫といった緊急時対応にも有効なシステムとして、今後も全国の農業組織の課題解決に貢献してまいります。」